法人情報

2022年度 事業報告

賛育会は中期3ヵ年計画の2年目となる2022年度も「地域の課題にもっともっと寄り添える賛育会」を目指して、知恵を育む・体力づくり・仲間づくりの3つの計画を実行いたしました。
新型コロナウイルス感染症のまん延が続く中でも、賛育会憲章の実践に努める職員や関係者の努力と多くの方々のお支えによりまして諸事業・活動を実施できましたことに感謝し、次の通り、概況をご報告申し上げます。

基本聖句

「主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい。」

(新約聖書 フィリピの信徒への手紙 4章4節)

Ⅰ. 運営体制

1. 理事・監事

「第3回評議員会(2023/3/18)において、次の役員の退任(3/31付)が承認されました。

理事
  • 小林 利紀子
  • 藤田 寿彦

Ⅱ. 2022年度経営方針の概況

1. 知恵を育む:ご利用患者・ご家族と共に歩み、質の高いサービスを提供する担い手を育てる。

  1. サービスの質を高め、安全でより良いサービス提供に努める。
  2. 事故防止、感染対策等リスクマネジメントを強化する。
  3. 職員の確保と育成に努める。

コロナ禍で利用者と職員に感染があり、サービス提供体制を見直し続ける年となりました。医療では「患者とともに生きる」という理念の下、賛育会病院が新型コロナウイルス感染症対応重点医療機関として専用病棟を継続し、特に妊婦や親子のコロナ陽性患者を積極的に受け入れました。高齢者介護サービスは感染予防と対策を継続して事業を行いましたが、短期入所や通所介護などの在宅サービスを中心に、感染症の影響で利用者が大幅に減少しました。保育園は行政や医療機関との連携を強化するとともに、オンラインによる行事開催や保護者との情報共有を重ねて事業を継続することができました。
賛育会としてクレドに示した「命を大切にする・ともに生きる」ことの実践として、苦しい立場にある緊急下の母子のために「赤ちゃんのいのちを守るプロジェクト」の取り組みを始めました。また、医療・介護・保育サービスに関する委員会やプロジェクトも継続し、サービスの改善と向上に努めています。
リスクマネジメントにおいては賛育会権利擁護委員会を新設し、法人全体で虐待を防ぎ、権利擁護についての学びを深めました。サービスにともなう苦情・事故件数は、各施設での事故検証と勉強会等を継続して再発防止に努めた結果、ともに微減しています。
人材育成計画2022を定めて法人職種別・職階別研修をオンラインで継続し、感染予防・認知症ケア・持ち上げない介護・看取り・虐待や事故防止・理念などに延5千名の職員が参加しました。資格取得支援制度や外部研修も継続しています。また、SEAP(調査研究・実践事例発表会)では、20を超える発表があった他、各施設から他法人や地域の医療・福祉研究発表会などにもオンラインで参加し、有意義な取り組みを地域や法人を超えて共有するなど、職員の技術や知識の向上にも取り組みました。
2022年度の介護職員新卒採用は大幅に増えましたが、一般企業がアフターコロナを見越して採用を強化した2023年度新卒者は大幅に減少しました。人材確保は次年度以降の大きな課題です。また、コロナ禍でも感染対策をしながら医療・福祉の専門職養成校等からの実習生受け入れを継続し、全施設で、将来の担い手養成は積極的に行っています。
1999年に導入した能力主義人事制度を見直し、能力主義+役割業績主義により人材育成と人材活用を行う新人事制度を作成し2023年度に稼働する準備を整えました。

2.体力づくり:地域のニーズを読み、安定した法人運営を実現する。

  1. 組織・運営体制を見直し、法令順守の徹底と経営の改善・安定化に努める。
  2. 賛育会病院の新病院・新施設構想を計画・実行する。

運営においては、昨年度実施した内部統制監査の指摘事項の改善を通して施設運営体制と運営根拠となる諸規定の見直しを行うとともに、管理課を対象として法人内施設の相互監査を行い、ガバナンスの強化と法令順守を徹底しました。
また、利用者中心のサービス提供による安定した経営を目指して、法人経営委員会と施設長会議で月次予算管理を徹底し、予算未達成事業のサービス内容と費用構造を見直しました。感染症による高齢者在宅サービスの利用控えや光熱水費や食材の高騰による支出増によって予算未達成となった施設もありましたが、物価高騰や新型コロナウイルス感染症対応への補助金も利用しながら法人としての年度予算を達成することができました。
新病院・新施設構想を具体化し、墨田区立花地区に病院の一部機能と特別養護老人ホームを有する地域包括ケアの総合拠点を作ることと賛育会病院外来棟西館の取壊しについて、墨田区にも承認をいただき、地域や職員の意見を取り入れながら計画を開始いたしました。

3.仲間づくり:地域住民や団体と共感による協働の輪を広げる。

  1. 地域に仕える活動を継続する。
  2. 地域貢献活動や奉仕活動をしている仲間と連携し、協働する。
  3. ボランティアや寄付等の支援活動の拡大に努める。

コロナ禍で、施設や地域での奉仕活動に制約がありましたが、各事業所で地域医療・福祉の勉強会や総会などにオンラインで参加するとともに、感染予防対策を徹底して少人数の施設行事や地域行事を再開し、新たな形で地域連携、奉仕活動を始めました。また、実習生の受け入れや学校や地域での認知症サポーター養成講座、にこにこ清風食堂ワゴン、日本語教室、留学生支援活動、さんいくミャンマーの会などを継続することができました。
はなみずきホーム開設40周年(4/17)、東海事業所活動70周年(11/23)、賛育会創立105周年(3/18)の記念礼拝・式典を夫々開催し、感染対策をしたうえで市区長をはじめ地域の方々やボランティアをお招きして感謝を伝え、連携と支援の継続をお願いいたしました。また、豊野事業所が2019年の台風被災から復興3年の感謝礼拝(10/13)を行い、お支えいただいた地域の方々に感謝し、現在も続く地域の復興のために祈りを合わせました。
賛育会後援会や地域の企業・個人、出演者の皆様のお支えにより、賛育会病院建て替えのためのチャリティーコンサート(10/19)を3年ぶりに開催し、地域の皆様に音楽を楽しんでいただきながら地域医療へのご理解とご支援をいただきました。
2022年度は賛育会のために730件、16,614,567円の寄付をいただきました。

以上

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