東京都地域周産期母子医療センター ・ 東京都指定二次救急医療機関(内科系・外科系・小児科)
賛育会は103年前の1918年(大正7年)に東京大学YMCA会員により創設されました。その当時お産は助産師の分娩支援により自宅で赤ん坊が生まれていましたが、時には赤ん坊が、あるいは母親が生命をなくすリスクがありました。安全なお産を確立するために東大YMCA会員の河田 茂医師が中心となり、日本初の一般市民のための産院として賛育会産院の創設に努力をいたしました。1930年(昭和5年)には現在の土地に賛育会病院を形成して、その後産婦人科、小児科、内科、外科、整形外科、緩和ケア科、耳鼻科、麻酔科が主に墨田区中心の地域医療として地域の人達の健康を保つことを第一に、全力を尽くしてまいりました。
私は50年前に東大YMCA寮で生活し、東大を卒業してから心臓血管外科医として患者さんの生命を大切にし、ともに生きる精神で頑張ってきました。心臓血管外科は医療の中で生命と一番かかわりがある領域でしたので、生命に関してはできるだけ大切にしたいと考えており、精神的にも「ともに生きる」精神が愛の精神も含めて大切なものと感じておりました。2021年4月より賛育会病院の院長となりましたので、「ともに生きる」精神を病院内の職員皆で大切にして、患者さんとともに生きることを求めたいと考えています。
賛育会のミッションはキリスト教の隣人愛が主になっており、医療において大切なことは生命を持った患者さんを大切にして、ともに生きる精神でできるだけ頑張ることが隣人愛と考えられます。患者さんも医師も生命を自らの願いで受けたのではなく、神の意向で生命をもらったと考えられ、生命をもらったすべての人達と同じ人格としてともに生きることが大切だと感じています。医療は最近ずいぶん進歩してまいりましたが、生命の真理のすべてを理解しているわけではなく、患者の生き方から生命の真理の実状を知り、病態からの脱脚ができるようによりよい医療をこなすことが大切と考えています。
賛育会病院は地域の皆さまとともに生きることが大切と考えていますし、医療者も医療の技術だけでなく、患者さんの気持ちとともに生きることができるように頑張りたいと思います。
2021年4月1日
賛育会病院院長
髙 本 眞 一
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